トルコリラの現状
高止まりしているインフレ率だが、政策金利の方が高いので逆に利下げ余地がある。さらに米FRBのハト派転換でドル安に向かいやすいのでリラは利上げによる通貨防衛の必要性がない。
3月31日の統一地方選挙を控えて国内の政局は不安定。中東情勢に首を突っ込んで支持率を回復させたいエルドアンは中東に影響力を持つロシアからミサイルの購入を決断。元々アメリカから戦闘機の購入を予定してたこと、トルコはNATO加盟国であることに関してアメリカ激おこ。選挙前にアメリカと揉めるのも避けたいエルドアンはロシアとの中東戦略の会議を延期して問題を棚上げ。そんな中トランプはゴラン高原をイスラエルの支配地と認めると表明。これは恐らく来年の大統領選を睨んだユダヤ層へのアピール。トルコを始め、中東の国々はイスラム圏なのでユダヤ国家の優遇に反対。今後の対米関係に警戒。
また、国内ではさらなるインフレの進行を恐れてリラから外貨へと資金シフトが加速。
さらに世界的な景気減速懸念の煽りや、中銀の外貨準備高の急減を受けてリラは急落。
選挙前に通貨の下落で世論の反発を阻止したいエルドアン、通貨の下落によりインフレの進行を阻止したい中銀は、短期資金の供給を事実上ストップさせて通貨供給量を減らすという金融政策を実施。さらに翌日物のスワップ金利を大幅に引き上げることで、リラを借りるコストが大幅に増加。リラを借りて空売りすることが困難となり、現在リラは急落時から対円で2日で約1円上昇。
一方リラの建玉数量はまだ高水準で残っており、その大半が買いのポジションであるため今一度リラが大幅に下げてくると投げ売りを誘い、下げ幅を拡大させるというリスクも残る。
ただ、リラの売り仕掛けは相当なコストを抱えるので売り方は不利な状況にあるのが現状。
補足として、2016年末に中銀は今回と同様に通貨供給量を減らして通貨下落を短期的にではあるが凌いでいる。その時は2日で約1.6円上昇している。
EIA米原油在庫統計の調べ方
原油在庫統計は米エネルギー省(EIA = Energy Information Administration)が毎週水曜日の23時30分に、前週金曜日までの週間統計を発表します。
2014年から始まった原油の暴落は、WTIで2016年2月に30ドルを割り込むまで進んだ。その後OPECを中心に減産へと移り、60ドル台まで回復している。
シェールの動向も気にしつつ今後の原油相場を追って行く上で、毎週発表されるEIAの在庫統計は見逃せないイベントになっています。
そのEIAの発表は今やほぼリアルタイムで各トレードサイトやアプリで確認できるが、敢えてEIAのサイトでの見方について簡単に解説したいと思います。
まずEIAのサイトを開くと、このような画面になります。
赤色の枠の部分のアップします。
【Weekly Petroleum Status Report 】
直訳すと、週間石油状況報告となります。
これをクリックします。
すると、色んなレポートの一覧が出てきます。
このページの上から3つ目
【U.S. Petroleum Balance Sheet】
をクリックします。
いよいよ米原油在庫統計のレポートが出てきます。
赤枠の部分が重要なので拡大します。
まずは上の赤枠部分
拡大図の赤枠部分
【Petroleum Stocks】
これは、原油在庫ですね。その下に【Million Barrels】とあり、単位が100万バレルであることがわかります。
拡大図の青枠部分
【Commercial (Excluding SPR)1】
これは国家の備蓄在庫を除いた原油在庫を指します。
この時の発表は430.9、つまり4億3090万バレルの在庫がありました。
前週が右隣の425.9、つまり4億2590万バレル。
前週比では、右端の5.0、つまり500万バレル増加です。
次に生産量を見てみます。
先ほどの拡大図赤枠の下部分です。
拡大図の赤枠部分
【Petroleum Supply】
直訳で、原油生産です。カッコ内に【Thousand Barrels per Day】とあり、単位が1000バレルであることがわかります。
拡大図の青枠部分
【Domestic Production 5】
訳して、国内生産です。後は上と同じ要領で、生産量が1038.1万バレル、前週が1036.9万バレル、前週比で1.2万バレルの増加となります。
以上が米原油在庫統計の元ネタ、EIAのサイトでの見方です。
これを知ったからどうなんだと言われましたら、特に意味はありません。ただ知識は深まると思うので、良ければ参考にしてみて下さい。